樫原ドクターの教えて講座

vol.5 姿勢と頭痛、肩凝り、腰痛の関係

落ち込むと前屈みになり、横柄な人はふんぞり返ります。悩みがあると、頭を抱え込んでしまいます。心の状態は姿勢に反映し、また、姿勢をよくすると心も元気をとりもどすというような事があります。
100歳ゴルファーとして有名であった塩田信夫さんは、自分の呼吸法を開発して背筋を伸ばし臍の下(丹田)で呼吸すると元気に長生きできるとおっしゃっていました。これまた百寿者である昇地三郎さんは、棒体操という体のバランスをとりながら体力を維持する方法を普及しようと努力を続けておられます。その他、ピラテスというドイツ人の開発した体型をととのえる体操もよく知られています。

現代人は、昔の人がしなかったような特殊な姿勢をとることが多くなっています。パソコンの前に長時間座り続ける。同じ姿勢で器械や自動車を運転する、携帯電話を長時間かけるなど、人類の歴史の上で初めての動作がなんと多いことでしょう。逆に、歩くとか走るなどという人間として基本的な動作が少なくなってきています。

わたしは、現代人のストレスをともなう生活動作が、頭痛、肩凝り、腰痛に深く関わっていると考えています。このような症状のある方には、足の上に腰があり、腰のうえに背骨があり、肩と首の上に頭がしっかり乗っているという基本的な姿勢を大切にしていただけたらと思います。何かご自分の気に入った方法でよいので運動を行っていただけたらと思います。なにもなければ、前を向いて腕を大きく振って早足で歩くというのも、姿勢を改善する効果がありますよ。