樫原ドクターの教えて講座

vol.4 頑固な腰痛、神経痛に効く「新薬」について

腰痛は、椎間板ヘルニアのように原因が明らかなものから、原因不明で精神的な要素が強く関係しているものまで多彩な様相を呈しています。治療も、軟性コルセット(薬局やスポーツ店で販売しているもの)、湿布などで改善する場合は良いのですが、病院通いをしても改善せず、鍼灸、整体、カイロプラクティク、ヨガなどを頼みの綱としているかたも多いようです。

治療以前の問題として、仕事の作業環境、日常の姿勢、全身の運動不足と肥満、ストレスにともなう「うつ」などが深く関与している場合も多いかもしれません。

このように、腰痛は複雑な因子が関係しているので、忙しい病院の医者としては充分に解析する時間がないことが多いのが現状です。レントゲン撮影やMRI検査を行って、特に異常のないような場合には鎮痛剤と湿布を処方して終わりという場合が多いと思います。

ところが、最近、数種類の新しい薬が発売され、原因不明の頑固な腰痛の方にも効果が期待されるようになりました。使用方法に、それぞれ専門的な配慮が必要ではありますが、腰痛に長期に悩んでいるかたには一つの福音になるかも知れません。第一は「リリカ」という末梢神経が原因の痛みに有効な薬です。いわゆる神経痛に有効です。第2は「トラムセット」という鎮痛剤と弱い麻薬の配合錠です。頑固な痛みで生活に支障のある患者さんに効果があるかも知れません。使用の初めには吐き気などの副作用がでるのが欠点です。三つ目のものは、「ノルスパンテープ」という貼付剤で週に1回張るだけで、頑固な腰痛や関節痛に効果があります。これも麻薬系の薬なので、副作用に注意して医師と充分に相談しながら用いる必要があります。このように、いままで諦めていた神経痛や腰痛が新しい薬によって相当改善する可能性が出てきました。頑固な腰痛、神経痛に悩んでいるかたは、ペインクリニックや整形外科などを受診して相談してみましょう。