樫原ドクターの教えて講座

vol.2 「頭痛日記」「患者日記」について

慢性の頭痛で病院を受診された患者さんには、「頭痛日記」をつけてくださいねとお願いしています。偏頭痛などの慢性の頭痛には、生活との関連がある場合が少なくありません。飲食物では、チョコや赤ワインなどが代表例です。女性では月経との関係がある場合も多いようです。運動、睡眠、天気や気圧、人間関係など。頭痛が起きた原因らしきものを記録しておいて病院に持参していただくと御一緒に原因を検討できます。原因が究明できれば、それを避ければ頭痛が起こらなくなるのですから素晴らしいですね。どのような頭痛であったか、薬を飲んで何分ぐらいで効果がでたかということも教えていただければ担当医としては大変参考になります。

頭痛以外でも、血圧、血糖値、体重など、患者さんが記録を正確に残しておいて下さると診断と治療に非常に役立つということを分かっていただきたいと思っています。蕁麻疹が出たときにも食べたものや飲んだもの、あるいはその日の活動内容を教えていただくと原因が推定しやすくなります。「お薬手帳」も他の病院で処方されている薬がわかっていいですね。「母子手帳」は日本独特とも言われているものですが、素晴らしいと思います。

情報化時代でありますので、患者さんが個人の医療情報が入力されたICカードを携帯するようになれば全て解決するようにも思われますが、日記を書くことは単なる情報以外に自分自身の生活を見直すという重要な要素を含んでいます。万歩計を使用したり、体重を毎日測定すればダイエットがやりやすいとされています。

ご自分の健康情報を記録する「患者日記」を作っていただくと頭痛における「頭痛日記」だけでなく健康維持増進に役立つこと間違いなしと思っています。

(担当者:リハビリテーション部 樫原道治、脳神経外科専門医、脳卒中学会専門医、認定健康スポーツ医、認定産業医)