樫原ドクターの教えて講座

vol.01 はじめに

「頭痛、肩こり」「物忘れ」「腰痛、歩行障害、運動機能低下」などについて、当院では次のような御相談に応じていきたいと考えております。

1 頭痛の原因をしらべる

頭痛の原因には、いわゆる頭痛持ちの頭痛である、偏頭痛、緊張性頭痛などのほかに、耳鼻科の病気、眼科の病気、整形外科の病気、婦人科の病気など様々な原因があります。当院では、患者さまから詳しくお話をお聞きし、また、当院のMRIやCT、超音波検査、脳波検査なども必要に応じて利用して、頭痛の原因を探ります。

2 ものわすれの原因をしらべる

ものわすれの原因には、アルツハイマー病以外にも多くの原因があります。頭部打撲後、2〜3か月してから出現する慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、前頭葉にできた脳腫瘍などは脳外科で手術をして治療することができます。脳血流が低下している場合もボケ症状が出る場合があります。うつ病の場合も外見上は認知症に似ています。アルツハイマー病と診断する前に、頭部CT検査やMRI検査でこれらの原因をしらべる必要があります。

3 腰痛、歩行障害の原因をしらべる

腰痛や歩行障害の原因には、腰椎の加齢にともなう変形の他に、腰椎椎間板ヘルニア、股関節、膝関節、足関節などの関節の病気、腰や足への血流の障害、さらには脳や脊髄の病気などがあります。また、さまざまな種類の癌が腰椎などへ転移することも腰痛の原因になります。病気の症状や経過を詳しくお聞きすることによって原因の検討をつけ適切な検査で確認をおこないます。

4 生活指導を重視したいと考えています

慢性頭痛は仕事のしかた、食事のとりかた、体操をしているかなどの生活習慣が関与していることが多いものです。加齢にともなう通常の「ものわすれ」は生活を活性化することによって改善できます。また、実際に認知症になったときには、ご家族が対応に困ることがありますが、当院では医師をはじめ各担当者が御相談に応じていきます。腰痛や歩行困難となった場合も、仕事や生活上の注意点について御説明して症状の改善を促進し、再発を予防するように援助させていただきます。

5 情報提供

健康な方が未経験の病気になられた場合、どうしてよいか分からない場合もあることでしょう。どのような病気なのか、介護保険はどう利用するのか、社会的な援助はどのようになっているのかなど積極的に情報を提供して患者さまや御家族がうまく治療を継続できる一助になれるようにと考えています。

6 専門外来

当院では、常勤医師による診察の他に、大学などの消化器科、循環器科、整形外科、脳神経外科などの専門医に外来診療を御願いしています。必要に応じて各専門医に診察を依頼し、状況によっては大学などに紹介させていただいています。最新の治療を受けて病気から回復してください。

7 ホームページの利用

当ホームページにいただきました御質問には、逐次要点をまとめて御回答させていただくつもりです。どうぞ頭痛、肩こり、物忘れ、腰痛などについての御質問をお寄せください。

(担当者:リハビリテーション部 樫原道治、脳神経外科専門医、脳卒中学会専門医、認定健康スポーツ医、認定産業医)